米国の税制改革について 国際企業が知るべき10のポイント

米国で先頃可決された税制改革法案「Tax Cuts and Jobs Act of 2017 (「TCJA」)」は、約30年ぶりの大型税制改革であり、米国の国際租税法の抜本的な改正となる。

  • 法人税率の21%までの引き下げ: ついに施行され国際標準に合致しているものの、他の租税法の内容に鑑みると、米国はまだ持株会社の設立において魅力的な国とはいえない。
  • CFCの「グローバル無形資産低税率所得(GILTI)」に対する新たな10.5%の課税: しかしGILTIには無形資産も低率税も必要ではない!CFCの無形資産から得られる10%以上の利益が必要なだけである。
  • 完全な資本参加免税ではない: 子会社からの配当金は、米国の法人株主に支払われる場合には課税免除とされる。しかし、子会社売却によるキャピタルゲインについてはこの限りではない。
  • 海外留保利益に対する強制みなし配当課税: 子会社の累積海外留保所得について、現金及び現金等価物は15.5%、その他は8%の税率で課税される(米国株主が個人である場合はより高い税率で課税される)。これは、子会社がCFCである場合もしくは10%以上の米国法人株を保有している場合に適用され、当該子会社が実際に所得を本国送還するか否かは問われない。以前に米国で得た所得は対象外となる。
  • 事業資産を100%経費として計上: 20年以内で減価償却されるあらゆる資産が対象となる。株式の取得よりも資産の所有を選択する大きなインセンティブとなる。
  • 利払い控除の制限: 調整済みEBITDAの30% を上限とする。
  • 税源侵食濫用防止税(BEAT課税): 外国法人に対して高額な控除可能な支払い(一部の例外を除く)を行っている大手国際企業に課せられる新たな税。複雑な内容で現時点でも不明な点が多い。経済的に類似する取引により異なる結果が生じるため、サプライチェーンに関する慎重な分析が必要となる。
  • 繰越欠損金: 2017年以降の欠損金は無期限で繰越可能とされるが、課税所得の80%までしか控除されず、繰り戻しは撤廃される。
  • 米国外子会社の保有はより良い選択: 配当金の免税により米国外の子会社(GILTIを含んでも)の方が、米国企業グループのdisregarded entities/branchesよりも節税効果が高い。
  • 米国企業は国外顧客への販売から恩恵を享受できうる: 米国企業は、国外無形資産所得(FDII)について減税措置を受けられる。しかし、この動きは国際的に物議を醸している。

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