全世界に対する警告:米国司法省は、公共調達に関する反トラスト法違反の調査が今後行われることを示唆しています

米国の公共調達に関与する日本企業が留意すべき点をお伝えします。米国司法省(DOJ)反トラスト局は、調達プロセスにおける反トラスト法違反の調査を優先することを公表しました。

司法省反トラスト局長のマカン・デラヒム氏は、韓国企業2社の司法取引と起訴に関する記者会見で、「反トラスト局の最優先事項は、米国政府と納税者の保護である」と説明しました。また、燃料供給に関する調査は、世界中の他の種類の軍需品供給についての調査に拍車をかける可能性があり、国防総省(DOD)は、司法省(DOJ)の注意を「その他の案件に向けさせた」と述べました。反トラスト局の最高幹部であるリチャード・パワーズ司法次官補は、米国弁護士協会(ABA)のホワイトカラー会議でデラヒム氏の発言を繰り返し、同局の刑事プログラムの優先事項として公共調達案件を挙げました。

最近、当局は、韓国における米軍基地についての国防総省との燃料供給契約に関する談合や詐欺の調査において、2社が有罪を主張することに合意したことを発表しました。同時に、当局は、反トラスト法違反や連邦政府に対する詐欺行為で起訴していた7人について、起訴を取り下げました。これまでに、5社が国防総省との燃料供給契約に関する調査において有罪を認めています。

米国の反トラスト法違反に対する罰則はとてつもなく厳しいです。反トラスト法に違反した会社は最大1億米ドルの罰金を科されます。罰金のほか、政府が反トラスト法に違反する行為の被害者である場合には、クレイトン法第4a条及び虚偽請求取締法(FCA)に基づき、政府は損害額の3倍の損害賠償を請求することができます。例えば、燃料供給に関する調査で有罪を認めた会社の1社であるGSカルテックスは、この事案を解決するために政府に総額1億417万米ドル(罰金4667万米ドル、反トラスト法に基づく民事上の和解金1488万米ドル、FCAに基づく民事上の和解金4262万米ドル)を支払うことで合意しました。

個人に対する罰則も厳しいです。反トラスト法に違反した個人は最高100万米ドルの罰金に加え、最長10年の懲役刑に処せられます。外国人であっても保護されず、起訴されます。同局はこれまで、カナダやドイツなどから、起訴された市民(米国民でない者)の引き渡しを受けました。現政権は、個人の引渡しを検討したいと考えているようです。最近の燃料供給事件では、デラヒム氏は引渡しの過程について詳細には言及しませんでしたが、司法省は「これらの(起訴された)個人を米国に移すためのあらゆる選択肢」を検討しており、個人への「アクセス」について韓国司法省と連絡を取っていると述べました。デラヒム氏によると、DOJは韓国当局との「完全な協力」を期待しているといいます。日米両国は、二国間の犯罪人引渡条約を締結しており、米国当局は同条約に依拠して反トラスト法違反で起訴された日本人の引渡しを求めることができます。

近年、当局が公共調達を注視しており、厳しい罰則が問題になっていることを考えると、政府に物品やサービスを供給する企業は、コンプライアンスの取り組みを強化する必要があります。当局の厳しい調査を踏まえ、企業はコンプライアンス・プログラムを改めて見直し、従業員に対するコンプライアンス研修などのさらなる措置が必要かどうかを判断するべきです。企業は、コンプライアンス・プログラムが十分であるかを評価するために弁護士に相談することを検討する必要があるかもしれません。また、米国反トラスト法違反の疑いがある企業は、その最善の措置を検討するため、経験豊富な反トラスト法専門の弁護士に助言を求めるべきです。

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